「1ユーザー○○円」の落とし穴:小規模チームが大企業価格を払わされている現実
5 人のチームなのに、50 人規模と同じ単価を払う必要があるのか?Per-seat 課金モデルの問題点と、新しい選択肢を考える。
ある日突然、月額料金が 2 倍に
こんな経験はないだろうか。
無料プランで 1 年間使っていたタスク管理ツール。チームが少し大きくなり、3 人追加することになった。すると突然、月額 2 万円以上の請求書が届く。
「え、昨日まで無料だったのに?」
これは架空の話ではない。Per-seat(ユーザー単位)課金モデルを採用する SaaS ツールでは、日常的に起きていることだ。

日本市場の主要ツール:料金の現実
日本で人気のタスク管理・プロジェクト管理ツールの料金を、5 人チームで計算してみよう。
| ツール | 料金モデル | 5 人チームの月額 |
|---|---|---|
| Backlog スタンダード | スペース課金 | 17,600 円 |
| Asana Starter | Per-seat | 6,000 円〜 |
| Jooto スタンダード | Per-seat | 約 2,085 円 |
| Jira Standard | Per-seat | 約 4,500 円 |
| ClickUp Unlimited | Per-seat | 約 5,000 円 |
一見、Jooto が安く見える。しかし、チームが 10 人に成長したらどうなるか?
| ツール | 10 人チームの月額 |
|---|---|
| Backlog スタンダード | 17,600 円(変わらず) |
| Asana Starter | 12,000 円〜 |
| Jooto スタンダード | 約 4,170 円 |
| Jira Standard | 約 9,000 円 |
Per-seat 課金では、チームの成長がそのままコスト増につながる。
ユーザーが本当に感じている不満
Asana:最低 2 席の罠
Asana の有料プランには、あまり知られていない制約がある。最低 2 席からしか契約できないのだ。
フリーランスや個人事業主が「Premium 機能を 1 人で使いたい」と思っても、2 人分の料金を払う必要がある。使わない席にお金を払うのは、誰だって納得できない。
海外のレビューサイトでは、この点について 6 年以上にわたって改善要望が出されているが、いまだに変わっていない。
Backlog:2023 年の大幅値上げ
国産ツールとして人気の Backlog は、2023 年 1 月に大幅な料金改定を行った。
- スタータープラン:2,640 円 → 2,970 円
- スタンダードプラン:12,980 円 → 17,600 円(35%値上げ)
- プレミアムプラン:21,780 円 → 29,700 円
- プラチナプラン:55,000 円 → 82,500 円(50%値上げ)
Backlog は「ユーザー数無制限」という良心的なモデルを採用しているが、最低でも月額 17,600 円というのは、2〜5 人の小規模チームには負担が大きい。
ClickUp:ゲストが突然有料席に
海外で急成長中の ClickUp では、さらに厄介な問題が報告されている。
同じドメインのゲストユーザーが、知らないうちに有料の「リミテッドメンバー」に自動変換されるというのだ。ある日突然、請求額が 2 倍になっていたというケースも。
外注先やクライアントとの協業が多いチームにとって、これは致命的な問題だ。

Per-seat 課金の 3 つの構造的問題
問題 1:成長への罰金
新しいメンバーを迎えるたびに、固定費が増える。ソフトウェアの価値は変わらないのに。
スタートアップや成長中の小規模チームにとって、「人を増やす=コストが増える」という構造は、採用判断にまで影響を与えかねない。
問題 2:使わない人にも課金
タスク管理ツールには、さまざまな関わり方のユーザーがいる:
- 毎日使うコアメンバー
- 週 1 回だけ進捗を確認する上司
- 月 1 回レビューするクライアント
- 1 つのプロジェクトだけ参加する外注先
Per-seat 課金では、月 1 回しかログインしない人も、毎日 8 時間使う人も、同じ料金を払う。これは公平だろうか?
問題 3:予算の不透明さ
「来月、2 人採用するかもしれない」 「このプロジェクトだけ外部パートナーを入れたい」 「インターンを 3 ヶ月だけ受け入れる」
こうした柔軟な組織運営が、Per-seat 課金では予算管理の悪夢になる。

中小企業やフリーランスが本当に必要としているもの
大企業向けツールが提供するもの:
- 複雑なワークフロー自動化
- 50 種類以上の権限設定
- エンタープライズ SSO
- 専任カスタマーサクセス
小規模チームが実際に必要としているもの:
- シンプルなタスク管理
- 基本的なコラボレーション機能
- 成長しても料金が変わらない安心感
- すぐに使い始められる簡単さ
会議室 1 つで収まるチームに、500 人企業向けの機能リストは必要ない。
新しい料金モデルの選択肢
Per-seat 課金への不満から、代替モデルが注目されている。
定額制(フラットレート)
チーム全体で 1 つの料金。人数が増えても変わらない。
Basecamp が月額$99 で先駆けたモデルだが、$99(約 15,000 円)でも小規模チームには高い。より手頃な価格帯のツールも登場している。
アクティブユーザー課金
Slack が採用するモデル。実際にログインした人だけに課金される。
使わない席への支払いがなくなるため、公平性は高い。ただし、予算の予測がしづらいという側面も。
機能ベース課金
ユーザー数ではなく、使う機能によって料金が変わるモデル。
必要な機能だけに払うという点では合理的だが、「この機能を使うには上位プランが必要」という罠に陥りやすい。

ツール選びで確認すべき 5 つの質問
新しいタスク管理ツールを検討する際、以下を必ず確認しよう:
1. 最低席数の制限はあるか? 「1 席から契約可能」と書いてあっても、実際は 2 席や 5 席が最低ラインというケースがある。
2. ゲストユーザーの扱いは? クライアントや外注先を招待したとき、追加料金が発生するか?自動的に有料席に変換されないか?
3. 10 人になったときの料金は? 現在 5 人でも、成長したときのコストを計算しておく。Per-seat なら単純に 2 倍。
4. 値上げの履歴は? 過去に大幅な値上げを行っているツールは、今後も同様のリスクがある。
5. 本当に必要な機能は有料プランだけか? 「この機能だけ欲しい」が、最上位プランでしか使えないケースも多い。
まとめ:小規模チームには、小規模チーム向けの選択肢を
Per-seat 課金は、SaaS 企業にとって収益を最大化する合理的なモデルだ。ユーザーが増えれば増えるほど、売上が伸びる。
しかし、ユーザー側の合理性はどうだろうか?
2 人のスタートアップも、500 人の大企業も、同じ 1 ユーザーあたりの単価を払う。規模の経済が働かない。成長すればするほど、コストが膨らむ。
2025 年、クラウドインフラのコストは史上最低水準にある。それなのに、なぜタスク管理ツールの料金は下がらないのか。
答えはシンプルだ。選択肢が少なかったから。
しかし今、状況は変わりつつある。小規模チームのために設計された、シンプルで手頃なツールが登場している。
大企業向けの機能を削ぎ落とし、本当に必要なものだけを、チーム全体で定額で提供する。それが、これからのタスク管理ツールのあり方ではないだろうか。
Per-seat 課金に疲れたら、Heiminを試してみてください。月額$12(約 1,800 円)で、チーム全体が使えます。2 人でも 10 人でも、料金は変わりません。