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Microsoft Project Online がついに終了:小規模チーム向け移行ガイド

先月、Project Web App を開いたら「新しいサイトを作成」のボタンがグレーアウトしていた——これはバグではありません。2026 年 4 月 1 日以降、Microsoft は新しい Project Online テナントおよび PWA サイトの作成をすべて停止しました。翌 4 月 2 日には SharePoint 2013 ワークフローが既存テナントでも停止され、PM が長年依存してきた段階承認や状況更新の自動化が静かに動かなくなっています。そして 2026 年 9 月 30 日、Project Online は完全に終了します。猶予期間も読み取り専用モードもありません。

数十の資本投資プロジェクトを動かしている PMO であれば、移行先は明確です。Project Plan 5 か Project Server Subscription Edition に乗り換え、ポートフォリオを移し、PM を再教育する。痛みは大きくても道筋ははっきりしています。問題は別の層——5 名から 15 名のマーケティング、運用、サービス、デザインチームです。Project Online を「ガントチャート付きの共有タスクリスト」として使ってきただけなのに、当時 IT が PWA をテナントに同梱したせいで、いま強制移行を迫られています。この記事は、そんな小規模チームのための Microsoft Project Online 代替 小規模チーム向けガイドです。

なぜ小規模チームの話は別物なのか

Microsoft 公式の移行案内は、PMO がある前提で書かれています。推奨先は Planner and Project Plan 3 で 1 ユーザーあたり月 30 ドル、上位の Plan 5 は 月 55 ドル。10 名のチームで Plan 3 だと年間 3,600 ドル、Plan 5 なら 6,600 ドル。これに導入費・トレーニング費、さらにこの先 Microsoft が乗せてくる Copilot AI のオプションが加わります。

ポートフォリオのベースライン管理、デマンド管理、リソース分析を実際に使っているなら、その金額には意味があります。しかし、当時 IT が PWA に「はい」とクリックしただけで、チームはなんとか付き合ってきた——そんな状態なら、これから払うのはエンタープライズ価格、得られるのは「共有ガントとタスクリスト」だけ。これが今回の移行で一番ハマりやすい罠です。

ステップ 1:9 月 30 日より前にすべてエクスポートする

終了後はデータが消えます。Microsoft 公式のエクスポート手段は ExportProjectUserContent PowerShell スクリプトで、SharePoint 管理者が PWA サイトごとに実行する必要があります。プロジェクトファイル、カスタムフィールド、リソースカレンダー、PWA に紐づく SharePoint 上のドキュメント——すべて別々に対応しなければなりません。

小規模チーム向けの実用チェックリストです。

  1. すべての進行中プロジェクトを Project Desktop で .mpp ファイルとして保存する。後でやればいい、と思わないこと。直近 2 年で触ったものは今すぐ Save As。
  2. カスタムフィールドとルックアップテーブルを Excel に書き出す。忘れやすく、復元が一番難しいのがここです。
  3. リソースの稼働状況とカレンダーデータを取得する。誰が休暇中で、誰がどの案件にアサインされているか PWA で記録していたなら、その履歴はテナントごと消えます。
  4. SharePoint 2013 ワークフローを別途棚卸しする。 これらは 4 月 2 日にすでに停止済みです。先月から承認フローや集計が動かなくなった原因はこれ。記憶があるうちにロジックを文書化しておくこと。新しいツールでは作り直しになります。
  5. Project Web App のレポートと工数履歴も使っていたならエクスポートする。

9 月 30 日は「締切」ではなく「壁」と捉えてください。サービスが解体されている 10 月の 1 週目にデータを救出しようとする側にはまわらないこと。

ステップ 2:チームの形に応じた正直な判断

万能の正解はありません。基準は「実際に Project Online で何をしていたか」だけ。3 つの選択肢があります。

A:Microsoft スタックに残る——すでに M365 に深く根ざしている場合

チーム全員が Teams で働き、ドキュメントは SharePoint、認証は Entra、IT もテナント外のツールは検討しない——そういう環境なら Planner Premium / Project Plan 3 が現実解です。ガントビュー、依存関係、ベースラインがそろい、しかも M365 の管理基盤に統合されます。ポートフォリオ管理を本気でやらない限り、Plan 5 の追加 25 ドル/ユーザー/月はもったいない。

正直なトレードオフ:Planner は Project Online のクローンではなく、別の製品です。カスタムフィールドはきれいに移りませんし、用語も違います。望むと望まざるとにかかわらず、PM は四半期ほどかけて学び直すことになります。

B:中堅 PM ツールへ——規模はエンタープライズ寄りでも、Microsoft 縛りはない場合

Asana、ClickUp、Monday.com は今回の移行需要を狙って専用ランディングページまで用意しています。フォーム、自動化、レポートダッシュボード、多彩なビュー——その機能群がすべて必要なら、合理的な選択肢です。ただし、それを本当に使うのか自問してください。

正直なトレードオフ:per-seat 課金はそのまま付いてきます。ClickUp Brain AI のアドオンだけで 1 ユーザー月 9 ドル追加。詳細な計算はフラットレートのプロジェクト管理ツールがチーム拡大に強い理由ClickUp の請求トラブルの記事にまとめてあります。今後 18 か月で 8 人から 20 人に成長するなら、請求書も比例して伸びます。

C:もっと軽いツールへ——そもそも Project Online は過剰スペックだった場合

正直なところ、Project Online を「チームの大半が避けていた共有ガント付きタスクリスト」としてしか使っていなかったのなら、今が身の丈に戻すチャンスです。Heimin、Trello、Basecamp といったツールは「小さなチームが仕事を追えること」が設計目標で、PMO のポートフォリオ管理は想定していません。Heimin の場合はチーム全体で月 12 ドルの定額——10 名のチームなら、Plan 3 の月 300 ドル超から月 12 ドルへ、しかも今後一切人数で課金されません。

正直なトレードオフ:ポートフォリオ機能は手放します。40 案件にまたがるリソースレベリングや、エンタープライズ向けレポートキューブはありません。それが本当に必要ならば A か B が正解です。

ステップ 3:誰も警告してくれない本当のコスト

どの道を選んでも、本当に高いのはライセンス費ではなく、PM・関係者・経営層に新しい語彙を覚え直してもらうコストです。Project Online の「タスク」と Planner の「タスク」は別物。リソースの定義も違いますし、ベースラインがそもそも存在しない場合もあります。CFO が 4 年間毎週月曜の朝に読んできたあのステータスレポートも、近々別の見た目になります。

役立つのは次の 3 点です。

  1. 本当の要件に対して最もシンプルなツールを選ぶ。 学ぶ概念ひとつひとつが税金です。50 個より 5 個で済むなら 5 個で。
  2. 1 チーム、または 1 種類のプロジェクトから移行する。 ビッグバン移行はやめましょう。最も小さく、最もリスクの低いグループをパイロットにして、壊れた箇所を記録する。
  3. 並行運用の期間を確保する。 9 月 30 日までに、新ツールと Project Online を最低でも数週間は並行させる。期限に間に合わないチームの大半は、8 月になって動き始めたチームです。

Heimin が向く場面・向かない場面

Heimin は、50 件の資本投資プロジェクトをリソースレベリングとベースライン、EVA で管理する portfolio manager の代替ではありません。それが必要な領域なら A か B を選んでください。

Heimin が向いているのは、Project Online 終了の波に巻き込まれた小規模な運用・マーケ・サービス・スタジオチーム。基本だけを取り戻したい——タスクリスト、担当、期日、コメント、認定資格なしでも読めるガントチャート。チーム全体で月 12 ドルの定額、英語・繁体中文・日本語ネイティブ対応、AI アシスタントから直接タスクを読み書きしたい場合は MCP も利用可能。人数による課金は永遠にありません。

Project Online がもともと過剰だったなら、9 月 30 日は本来の身の丈に戻る強制的な機会です。せっかくなので有効に使ってください。

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